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ベンチャー企業を経営しながら、日々思うことを綴る。


by co-ceo

決断の希薄化

10年前、20年前に比べて、決断が軽くなってきた気がする。
決断といっても、大それた決断だけでなく、日常の小さな決断も含める。

例えば、待ち合わせ。
ケータイのない昔なら時間と場所を決めたら、その場にその時間にいかなくては待ち合わせは成立しない。今は、時間も場所もアバウトに決めて、その場で修正する。決めたことは守らなくても待ち合わせは成立する。

例えば、文章。
パソコンやワープロのない昔なら、1文字1文字真剣に書いた。文章の入れ替えもできない。今は、間違えてもすぐ削除でき、文章の入れ替えもやりたい放題。

例えば、買物。
コンビニのない昔なら、スーパーに行ったら、必要なモノを決めて購入する。あとであれが足りないということがあったら、買いに戻るのに非常に手間がかかる。だからちゃんと決めて購入する。今は、なにか足りなくても近くのコンビニが24時間対応してくれる。

このような便利な世の中が、決断の希薄化を増長している。
後からどうにでもなるから決断しないで済むのだ。

このような”やり直し”が前提の世の中で育つ世代が、
マーケティング的にどういうインパクトを与えるをちょっと考えてみた。

便利なモノが決断の希薄化を増長しているということを、
別の視点で捉えてみると、決断を希薄化させてくれるモノに、人は便利さを感じると言えないだろうか。決断とは、非常に負担のかかる作業なのだろう。

決断を肩代わりしてくれるサービス(占い・ランキング・リコメンド)、
決断をやり直しできるサービス(お試し期間・クーリングオフ・返品OK)、
決断を先送りできるサービス(レンタル・リース)などが
人気だったり、便利だったりと感じるのは、そういうことかもしれない。

今後、若い世代が、より決断から遠ざかる傾向を持つとすると、このような決断を希薄化させる要素が、マーケティング的には大きな価値を持つ気がする。
by co-ceo | 2005-11-17 18:54